寺山修司没後40年記念展「田園に死す」
The 40th Anniversary of Shuji Terayama’s death " Pastoral: To Die in the Country "

2023.08/26-09/18 ビリケンギャラリー
Aug.16-Sep.18,2023 at BILLIKEN GALLERY


三原の「eternal motion」シリーズや「死ぬのはいつも他人ばかり」シリーズの根底にある“エターナリズム”(不死追求の思想。手塚治虫の「火の鳥 太陽編」より引用)を掘り下げる中で、反出生主義の数ある動機の一つに「生物が不死を実現できないのは繁殖をしているためである。繁殖によって種を繋ぐことで個体の死を避ける必然性がなくなっている」という視点があることを知った。
卵が先か鶏が先かのような話であるが、たしかに面白い論点である。
これだけ科学が発展しても未だに繁殖というあまりに原始的な行為によってヒトという種を維持していることの意味をそろそろ真面目に考える時期なのではないだろうか。

本作は三原の両親が経営するギャラリーでの寺山修司をトリビュートする展覧会に出品した。
エターナリズムを標榜する作家自身が繁殖の成果物に過ぎず、人類の種を繋ぐための小さな過程の役割でしかないというやるせない現状(エターナリズムの理想追求の過程の飽くまで現状だが)を直視し、その象徴としての「母」と「家」を作品化。反出生主義的視点からエターナリズムの可能性を探る試みである。
種ではなく個体が死なない時代へ!

暗闇のわれに家系を問ふなかれ漬物樽の中の亡霊
-寺山修司-

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《ミミ子》

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