《The Clock of Arnheim》
三原回 個展「INTERMISSION: or The Contemporary Prometheus」 (2023.9/6-20) WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO真鍮・木材・モーター・金属、他 / 2500×350×350mm(可変) / 2023
振り子は一般的に「時」の寓意であり、中でもエドガー・アラン・ポーの短編「落とし穴と振り子」が代表するような先端に刃の付いた振り子鎌は「時が有限であること=迫り来る死」を連想させる。しかし、《The Clock of Arnheim》に於ける振り子鎌は、同じ軌道を同じリズムで止まることなく反復する。人工的に管理され単純な反復運動を続ける作品空間は時間を否定し、鑑賞者が訪れる遥か以前よりそこに存在し、鑑賞者が去った後も永遠にそこに存在し続けることを想起させるだう。 無限の時間を刻むこの装置は、展覧会場という人工庭園の中で極めて絵画的であろうとする。
また、ニューノーマルが浸透したパラレルなポスト・パンデミック社会を仮定し、ステイホームの文脈で「庭」というものを再考した。
《The Clock of Arnheim》は、プライベートにもパブリックにもなり得る「庭」という文化から人工主義≒アートとインスタレーションの可能性を探る「庭園シリーズ」の第1作でもある。
installation view