《icon》シリーズ
「sample of view」 (2011.10/24-11/12) ASK? P , 「DAN T"EA -DESIGNTIDE > CHANOYU SIDE-」 (2012.10/24-11/06) 新宿伊勢丹 他" sample of view " (Oct.24-Nov.12,2011) at ASK? P , 「DAN T"EA -DESIGNTIDE > CHANOYU SIDE-」 (Oct.24-Nov.06,2012) Shinjuku Isetan etc.
デジタルフォトフレーム / 2011
定点で撮影した蛍光灯が点いている状態と消えている状態の風景写真(主にアパートやマンション外観)、更にこの2つを加工して作成した点きかけの状態の画像、これら3コマの画像の組み合わせによるアニメーションのシリーズ。
デジタルフォトフレームやタブレットPCで出力することによりどこででも作品として展開でき、蛍光管を用いたインスタレーション《Flicker》の世界観をコンパクトに再現することができる。
インスタレーションのシリーズでは場所性を排除し、工業製品の単純運動にスポットを当てることにより、鑑賞者を含めた場を結果的に際立たせることを目的としたが、内部に入り現場での体験ができない《icon》シリーズでは、あえて画面の中のイメージに場所性を残した。
【シリーズ「Eternal Motion」より】
人工的・都市的な風景をトリミングし、閉鎖的な空間にインストールする。時間の流れの中で消費し摩耗していくはずの風景は、フレーミングされることでその流れから解放される。
これらのインスタレーション作品には時間が存在しない。ゆっくりと回転を続ける換気扇や、切れかけたように明滅を繰り返す蛍光灯、大音量で流れ続ける低周波の持続音などの単純な運動こそあるが、人工的に演出された平面的、回転的な運動には始まりと終わりはなく、作品空間は鑑賞者が訪れる遥か以前よりそこに存在し、鑑賞者が去った後も永遠にそこに存在し続けることを想起させる。
絵画は永遠のメタファーである。物理的な破壊がない限り、その景色が四角いフレーム内におさまり続けることを約束されている。永遠に憧れる権力者や画家は度々その四角い王国に自らの分身を写してきた。この空間は現実の時間軸の中で最も絵画的であろうとする試みである。
なお、”永遠に死なないということへの憧れ、そこから生まれる距離”というコンセプトは後の「死ぬのはいつも他人ばかり」シリーズへ、“永遠という時間をトリミングする試み”というコンセプトは「INTERMISSION」シリーズへとそれぞれ派生していく。
撮影:村上悠太 他