2014年6月14日(土)-7月12日(土) / 22:00画廊


三原回・吉田諒 共同企画

「湿地」 井上光太郎・三原回・望月俊孝・吉田諒

不快指数という言葉があるように、日本の梅雨の特徴である"湿気"は、ネガティブな印象をもって語られることが多く感じます。
たしかに、食パンはかび、髪の毛はうねる。たまの晴れ間に出掛けたものの、にわかに雨が降ってくる。
諦めて傘を差さずに歩くとき、何かから解放された不思議な快感を得ることがあっても、雨が上がり、
我に返るとべったりと肌に張り付いた服に何ともいえない居心地の悪さを覚えます。

そういえば、この「感覚としての居心地の悪さ/ 不気味さ」を、一部の美術作品から受け取ることがあります。
それは、決して情念めいたものではなく、内省的な痛さを感じさせるものでもありません。
視線にまとわり付くある種の"気配"のようなものです。電柱が人影に見えて、ドキッとするような──頭で分かっていても、
ずっとそれに監視されているかのような、居心地の悪さです。

しかしこのような感覚は、今までとるに足らないものとして無視されてきたきらいがあります。
いや、様々な感覚と混同されすぎて見えなくなってしまった、と言う方が正しいでしょうか。
本展は、気配をテーマに制作を行う4人の作家の作品を通じて、日本の気候の持つ「湿気」を、一つの知覚の軸として定義しなおす試みです。
【展覧会キャプションより】



installation view

撮影:望月俊孝、他



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井上光太郎 / Inoue Koutaro

1982年鳥取で生まれ、主に奈良で育つ。橿原学院高等学校美術科、大阪美術専門学校絵画専攻にて美術を学ぶ。
2003年の不二画廊での個展が初の作品発表となる。現在は東京を中心に活動。

主な個展:
2013年「暗沌光幽」(GALLERY MoMo Ryogoku / 東京)
2010年 「エンドロール・ガーデン」(SANAGI FINE ARTS / 東京)
   「サンデーモーニング、湿った夢の続き」(新宿眼科画廊 / 東京)
2008年 井上光太郎公開制作展「影の時間、浮き出た雨模様」(ギャラリーはたなか / 大阪)
2007年「白い時間、夢うつつ」(ギャラリイK / 東京)
   「彼らは今日も影夢の続きを見ている」(ギャルリー・ウー / 大阪)、
2005年「皆が寝静まった頃、パーティーは開演する」(ギャラリー白3 / 大阪)
2003年「井上光太郎展」(不二画廊 / 大阪)

主なグループ展:
2013年「Winter Show」(KOKI ARTS / 東京)
   「夜水鏡みがかず見るよ - 死と詩 -」(TOKIO OUT of PLACE / 東京)
2012年 EMERGING DIRECTORS' ART FAIR「ULTRA005」(スパイラルガーデン / 東京)
   「心霊写真展」(22:00画廊 / 東京)
   「トーキョーワンダーウォール公募 入選作品展」(東京都現代美術館 / 東京)
   「The Catcher in the dark」(TOKIO OUT of PLACE / 東京)
2011年「TOKYO FRONTLINE」(3331 Arts Chiyoda / 東京)
2010年「シブヤスタイル vol.4」(西武渋谷 / 東京)
2014年 損保ジャパン美術賞「FACE2014」審査員特別賞受賞
他、個展・グループ展・イベント参加多数

http://www.koutaroinoue.com/


三原回 / Mihara Qay

1987年東京生まれ。既製品と電子音を用いたインスタレーション、他に映像や写真などをメディアに制作。
主なシリーズに換気扇を用いた《Fan》、明滅する蛍光管を用いた《Flicker》、「死」との距離をコンセプトにした
《死ぬのはいつも他人ばかり》などがある。2012年よりentaku名義でイベントの企画も行なう。

主な個展:
2013年「死ぬのはいつも他人ばかり」(float ・あをば荘 同時開催 / 東京)
2011年「sample of view」(ASK?P / 東京)
2010年「fragment」(表参道画廊 / 東京)
2009年「Lab」(新宿眼科画廊 / 東京)

主なグループ展:
2013年「Resonance : 共鳴展 - 広がるアート、はじける科学 -」(逗子文化プラザ / 神奈川)
2012年「DAN T"EA - DESIGNTIDE > CHANOYU SIDE -」(新宿伊勢丹 / 東京)
   「ASK?映像祭2012 : デジタルフォトフレーム展」(ASK?P / 東京)
2011年「中之条ビエンナーレ2011」(中之条町 / 群馬) 2010年「大谷楽 / 白石諒男 / 三原回 - intermission -」(ASK? art space kimura / 東京)
2009年「Site / Sight - 若手アーティストとその魅力展 vol.2 -」(市原市水と彫刻の丘[現・市原湖畔美術館]/ 千葉)

http://mihalab.jp/


望月俊孝 / Mochizuki Toshitaka

1984年兵庫県生まれ。2007年東京藝術大学先端芸術表現科卒業。2009年東京藝術大学大学院映像研究科修士課程修了。
日本独自の感覚「気配」をテーマに制作を行う。大学院修了制作《鳥ひっそりと一人、鳥籠のカドで》は、
暗闇の中での虚ろな視覚体験「幻覚」を、暗順応を利用して「質量のある映像」として再現し、高い評価を得た。

主な活動歴:
2014年「湿地」(22:00画廊 / 東京)
2012年「Guimarães noc noc」(ギマランイス / ポルトガル)
   「HANOI × TOKYO × ART」(ハノイ / ベトナム)
2011年「望月俊孝 - まねびおに -」(岡本太郎記念館 / 東京)
   「岡本太郎現代芸術賞展」(川崎市岡本太郎美術館 / 川崎)
2010年「続・続・続・続 展」(市田邸 / 上野)
2009年「Double Focus」(ZAIM / 横浜)
   「ZAIM FESTA FINAL」(YCC / 横浜)
   「Exhibition of Objects Under Observation」(Frantic Gallery / 茅場町)
   「Media Practice 08-09」(BankART1929 / 横浜)
2007年「Project the Projectors 2007」(カタクラ / 取手)

賞歴:
2011年「岡本太郎現代芸術賞」岡本敏子賞(準大賞)受賞
2009年 修了制作・東京藝術大学大学美術館買上


吉田諒 / Yoshida Ryo

1987年東京生まれ。2011年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。
2011年 「武蔵野美術大学卒業・修了制作展」研究室賞受賞。
主な個展:
2012年 「朝を待つための」(22:00画廊 / 東京)
2010年 「水素結合/ hydrogen bond」(ギャラリーきゃべつ畑 / 神奈川)

http://yoshidaryo.tumblr.com/



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